犬にとって、食べることは楽しみのひとつです。
愛犬が喜んで食べる姿を見て、おやつを多めに与えすぎてしまう飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか。
ビーグルはとても食いしん坊で、与えれば与えるだけ食べてしまうため、食事管理はとても重要です。
人間と同様に犬にとっても痩せすぎ・太りすぎは健康によくありません。
このページでは犬の体型を適正に保ち健康を維持するために、飼い主が知っておきたい犬の食事管理についてご紹介します。
目次
犬の食事の栄養バランス
犬の祖先と考えられているオオカミは肉食の動物です。
しかし、犬は長い間、人間と共存していくなかで雑食寄りの肉食になっていきました。
犬に必要な栄養バランスは人間とは異なり、タンパク質を多く必要とします。
環境省が出している「ペットフードについて考えよう!!」によると、犬に必要な三大栄養素の割合は、たんぱく質25%、脂肪15%、炭水化物60%となっています。
環境省「ペットフードについて考えよう!!」より引用
また、塩分のとりすぎは心臓や腎臓に負担をかけてしまいますので、人が味付けした食事や、加工食品を与えることは絶対にしてはいけません。
栄養バランスが整った犬用につくられたフードを与えるようにしましょう。
ドッグフードの分類
犬用につくられた市販のドッグフードにはさまざまなものがあります。
フードを与えるタイミングや目的、犬の成長に合わせて適切なものを選びましょう。
基本的には犬に必要な栄養素をすべて満たすように調整された「総合栄養食」と分類されたドッグフードを主食として与えるようにしてください。
目的別での分類
主食を目的にしたもの、おやつ用につくられたフードなど、目的別にさまざまなフードがあります。
分類 | 説明 |
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総合栄養食 | 主食として与えることを目的につくられたものです。 基本的にはこのフードと新鮮な水を与えるのみで、犬の健康を維持できるように栄養バランスが整えられています。 |
療法食 | 犬の疾病の治療などに栄養学的なサポートをするためのものです。 治療の内容に合わせて栄養成分が調整されているフードで、通常は獣医師の診断・指導のもとで犬の食事管理に使用されるフードとなります。 |
間食 | おやつとして与えるものや、しつけ、トレーニングのご褒美、犬とのコミュニケーションの手段として与えるフードです。 肉・魚・果物などの素材を乾燥したタイプや、牛皮など成型したガム類、ボーロ・ビスケットなど菓子タイプ等、さまざまなものがあります。 |
その他の目的食 | 上記に含まれない目的食のことをいいます。 嗜好品として与えることを目的としている缶詰やレトルトフード、特定の栄養成分の補給を目的としたサプリメントなどがあります。 製品パッケージには、「副食」、「一般職(おかずタイプ)」、「栄養補完食」などと表示されます。 |
成長段階別での分類
犬は成長段階に合わせてフードを選ぶ必要があります。
分類 | 説明 |
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哺乳期 | 誕生~生後30日くらい。 犬の母乳、または犬用ミルクを与えます。 |
離乳期 | 生後20~60日くらい。 離乳食を与えます。 (子犬用ドッグフードをぬるま湯でふやかしてやわらかくしたもの) |
成長期 | 生後50日~1歳くらい(大型犬は1歳半、小型犬は10か月) 子犬用のドッグフードを与えます。 |
成犬期 | 成長期を終えてから7年間(大型犬は5年) 成犬用のドッグフードを与えます。 |
中高年期 | 8歳以降(大型犬は6~7歳) 高齢犬用のドッグフードを与えます。 |
タイプ別での分類
水分含有量の違いによるタイプ別のフードの分類があります。
分類 | 説明 |
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ドライタイプ | 製品水分10%程度以下のフード。 加熱発泡処理された固形状のものがほとんどです。 水分含有量が13%以上では、カビが生えたりするので12%以下に保つ必要があり、安全性に配慮して多くは水分含有量10%以下となっています。 |
ソフトドライタイプ セミモイストタイプ | 製品水分25~35%程度のフード。 ソフトドライタイプ 加熱発泡処理されていているもの。 セミモイストタイプ 押し出し機などで製造され発泡していないもの。 |
ウェットタイプ | 製品水分75%程度のフード。 品質保持のために殺菌工程を経て、缶詰やレトルトパウチに充填されたもの。 |
犬に与えてはいけない食べ物
食べ物の中には犬にとって危険なものがあります。
犬の健康を守るために、犬に与えてはいけない食べ物にどのようなものがあるか、飼い主は知っておく必要があります。
1日に与える食事の回数と量
食事の回数
1日に与える食事の回数は、年齢や成長に合わせて変えていかなければなりません。
生後2か月~ 6か月 はまだ消化器官がまだ未熟なため、食べたものが消化できるよう食事の回数を3回程度に分けて与えるようにしましょう。
生後6ヶ月以降になると消化器官が発達してきますので、朝晩の2回に変えていきましょう。
(犬の成長度合いに合わせて、徐々にお昼の食事の量を減らし様子を見ながら実施してください。)
また、中高年期に入ると消化器官の衰えがでてきますので、犬の体調を見ながら再び回数を増やしていくことになります。
時期 | 食事の回数 |
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生後2か月~6ヶ月 | 3回 |
生後6ヶ月~1歳 | 3回から2回へ |
1歳~中高年期 | 2回 |
中高年期 (8歳以降 ※大型犬は6~7歳) | 犬の体調に合わせて2回~4回 |
食事の量
1日に与えるご飯の量についても、年齢や体重により適切な量があります。
通常はドッグフードの裏面に体重別の食事量が記載されているので、こちらを目安にして与えてください。
ただし、目安にするだけです。
骨格や筋肉量などにより見た目と体重は異なりますし、普段の運動量や与えたおやつの量により、食事の量を調整する必要があります。
なお、ボディコンディションスコア(BCS)を参考にすると、今の愛犬が理想体重に近いのかどうかを判断しやすくなると思います。
愛犬の体重が理想より離れている場合は、様子を見ながら食事量の増減を調整するようにしてください。
ボディコンディションスコア(BCS)
食事内容や与えている量が適正かどうかを判断するのに「ボディコンディションスコア(BCS)」が役立ちます。
ボディコンディションスコアとは
犬の見た目と体をさわった感覚から、体型を5段階で評価したものです。
個体差があり体重だけでは判断しづらい犬の適正体型を簡単にチェックすることができます。
犬のボディコンディションスコアと体型
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」より引用